無痛分娩の訴訟に関する報道
昨日来、京都府の産婦人科で無痛分娩の施術ミスにより重度障害を負ったとして、患者の夫らが医院に対し、損害賠償請求訴訟を提起したとの報道がなされています。
報道から読み取れる情報を基に考えると(私が読んだのは読売新聞、京都新聞、産経新聞及び毎日新聞のいずれもインターネット版です。)、(1)麻酔針が硬膜を破ってくも膜下に達したのか、(2)麻酔薬の投与量が多すぎたのか、(3)((1)又は(2)の事実があったとして、それらは)医師の注意義務違反によるものかが主たる争点になって審理が進行していくのだろうと思います。
私は、無痛分娩の大まかなメリット・デメリット、海外での実施例が多いものの日本ではあまり浸透していない状況にあるという程度の知識しかありませんので、踏み込んだ考察はできませんが、この訴訟で問題となっているのは、医療行為を巡り医師・医院側に「ミス」があったか否かですから、無痛分娩のリスクそのものの判断とは分けて考えることが肝要と思います。
無痛分娩には、産婦に対するダメージが少なく産後の早い社会復帰が望めるため、特に仕事をしながら出産・育児をする女性にとって大きなメリットがあると聞きます。今回のような報道がなされることによって、重大事故が多いという不確かなイメージが先行して、産婦の選択肢が狭まってしまうことは好ましい状況ではありません。
無痛分娩に限らず医療一般にいえることですが、患者側が医療行為を選択する場合、選択した医療行為によってもたらされるメリットと、その医療行為のリスクの要因と程度を、専門家としての立場ではなく患者の立場として、総合的に考量して判断する必要があると思います。
弁護士 鶴田 信紀
医療事故研究会HP http://www.iryoujiko.net
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