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2016年6月28日 (火)

吸引・鉗子分娩及びクリステレル胎児圧出法の適否

産科医療訴訟においては、出産時の吸引・鉗子分娩及びクリステル胎児圧出法の適否が争われることがあり、請求認容・棄却を含め多くの裁判例があります。

妊娠期間中の児頭は浮動の状態にありますが、妊娠末期になり分娩が近づくと、前駆陣痛が起こり、分娩の準備状態となって児頭の下降が始まります。その際に、様々な理由で児頭の下降が起こらないときにとられるのが、吸引・鉗子分娩やクリステル胎児圧出法です。吸引分娩とは、児頭に吸引カップを装着し、牽引することにより胎児を娩出させる方法、鉗子分娩とは、児頭を挟む鉗子を牽引することにより胎児を娩出させる方法、クリステル胎児圧出法とは、娩出時に、母体を通じて胎児の臀部を押すことにより胎児の娩出を促進する手技をいいます。クリステル胎児圧出法は、吸引・鉗子分娩と併用されることがあります。これらの手法がとられ、特に娩出が不成功であった場合には、胎児に負担がかかることがあり、その選択及び手法の適否が争点となることがあります。

日本産婦人科学会と日本産婦人科医会は、2008年に産科診療におけるガイドラインを策定し、2011年にこれが改定されています。改定されたガイドラインには吸引・鉗子分娩の適応について、分娩第二期の短縮が必要とされた場合、胎児の不全の場合、子宮口全開大かつ既破水、児頭が陥入している(station0)こと等に言及しており、適否を判断する際の参考になります。

 弁護士 石丸 信

医療事故研究会HP http://www.iryoujiko.net

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