「限度額適用認定証」について
みなさんは、「限度額適用認定証」というものをご存知でしょうか。おはずかしい話ではありますが、私は、最近この制度の存在をしりました。
私のように知らない方がいらっしゃれば(いらっしゃらないかもしれませんが・・・)、少しはご参考になるのではないかと思い、この場を借りて、簡単に制度についてご紹介したいと思います。
例えば、入院をするなどして、医療が高額になった場合、申請を行うことによって自己負担限度額を超えた額について払い戻される制度として、高額療養費制度があることは、皆様も知っておられるのではないでしょうか。
自己負担限度額の計算方法等については収入区分等に応じて決められているところであり、一律に数字をあげて説明することは難しいところですが、簡単に言ってしまえば、退院時等に医療費等の清算をする際、請求された金額全額を支払い、その後に自己負担限度額を超える部分に関して申請を行うことによって、当該部分について返金がなされるという制度です。
上記制度も、安心して医療を受けるために必要な制度であることはもちろんですが、上記制度の欠点として、いったん請求された金額について立て替えて支払わなければならないという点が指摘されていました。
そこで、この欠点を補うために創設された制度が、限定額適用認定証の制度です。この制度は、まず、医療費が高額になりそうな場合に、事前に保険証の発行元に申請を行い、限度額提要認定証の交付を受けておけば、医療費の支払いの際に、当該認定証を医療機関に提示することで、自己負担額以外の金額を支払う必要が無くなる、つまり立替払いをする必要がなくなるというものです。
実際に制度を利用するに際しては、どのような費用に適用されるのか、自身が適用対象者となるのか、実際に自己負担額がいくらになるのかといった諸点について個別に確認をする必要が発生するとは思いますが、上記制度を知っていれば、医療費の立替払いをする必要がなくなるという点は、大きなメリットになるのではないかと思います。
病気にならない、入院しないに越したことは無いのはもちろんですが、万が一、そのような状態になってしまった場合に、家族も含めて、精神的にも経済的にも安心して療養するためにも、このような制度があることを知っておいていただければと思います。
弁護士 大城 季絵
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